1)原糸
原料のたて糸は、製糸工場から箱詰めで送られてきます。 たて糸は細い糸を用います。 また、よこ糸には強い撚りをかけた糸を使って独特の風合いを織り上げます。 |
2)下漬け
より良い風合いを出す為にフノリという海草に一晩漬け置きします。 |
3)乾燥
漬け置きした糸を絞って竿に掛けて乾燥させます。 |
4)糸繰り
カセになった生糸を糸枠に巻き取ります。 この作業が不完全だと、その後の製品の出来上がりに影響を及ぼすため、確かな技術が必要です。 |
5)整経
たて糸を機械に仕掛けるために枠に巻き取った糸を一度に120~200本くらい、ドラムに巻き取りビームと云う芯棒に巻き上げます。 |
6)撚糸
よこ糸の撚りはちりめんの生命であるシボや風合いに最も影響を及ぼします。 丹後独特の八丁撚糸機を使い、水を注ぎながらよこ糸に1m当たり3,000~4,000回の強い撚りを掛けて シボの元を作ります。 |
7)製織
たて糸を織機に掛けて織りが始まります。 ジャカード機を使用して織られた紋意匠ちりめんは、たて糸とよこ糸で美しい紋様を出し、 丹後ちりめんの代表的なものです。 |
8)精練
織り上がったちりめんは精錬作業により生糸に含まれるセリシンと云うニカワ質や汚れを洗い落とします。 この作業が済むとはじめて純白で柔らかな独特の風合いにちりめんになります。 |
9)乾燥
精練されたちりめんは水洗脱水された後、乾燥機にかけられちりめんのシボや風合いの仕上がりに影響が出ないように、ちりめんの種類に適した乾燥方法で乾燥します。 |
10)幅出し
乾燥後のちりめんは幅・長さ共に縮んでいるので、これを規定の幅・長さに整える為に幅出しをします。 |
11)検査
出来上がったちりめんは検査機により1反ずつ厳重に検査します(全部検査)。 |
12)出荷
検査を終えたちりめんは最終の検反と綴れとじをし、仕分けや包装後に出荷されます。 |
美しいちりめんは、この様に多くの人達や作業工程を経て出来上がります。 各所、各作業に使われる確かな技や感性は熟練された技術者だけが持ちうる、まさに「伝統の技術」そのものなのです。 |